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いま、時代に新しい波を起こすアーティストやクリエイターの"内側"に踏み込む連載企画「NEW WAVE,NEXT CORE」
彼ら彼女らがどのような景色を見て、何に揺さぶられ、どのような感覚を軸に世界を捉えているのか――その中心へと迫っていく。
流行やムーブメントは、常にひとりの"個"から始まる。次の潮流をつくる表現者のCOREには何が宿っているのか。
その起点を探りながら、これから生まれる新しい波の輪郭を読者とともに見つめていきたい。
第4回目に登場するのは、過去の経験をもとにハードコアなスタイルを貫くラッパーのPxrge Trxxxper。
ハードコアなサウンドと率直なリリックで注目を集める一方、その表現の背景には、極めて静かな時間が流れている。
彼が生み出すリリック、そしてその音楽はなぜ多くの人の気持ちを熱くさせるのか、彼の言葉からそのCOREを紐解いていく。

―― まずは自己紹介をお願いします。
Pxrge Trxxxperです。19歳で、ラッパーをやってます。
―― 普段のファッションはどんな感じですか?
基本、黒い服が好きですし、黒でスタイリングをまとめることが多いですね。
あんまり周りとかぶらない感じがよくて、形とかデザインには結構こだわっています。
―― 音楽のスタイルは?
ハードコアな感じで、思ったことをそのまま歌詞にしてます。
中学生くらいからラップを始めたので、もう5年くらいになりますね。
ラップは今では自分にとって欠かせない存在です。
―― 最近ハマっていることは?
ゲームですね。
マイブームというか昔からずっと好きです。
ツールはPS5とSwitchでやることが多くて、格闘ゲームはもちろんですけど、オープンワールド系のもよくやります。結構ガチでやってます(笑)
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―― この企画のテーマ“NEW WAVE”。 Pxrge Trxxxperさんが「次に来る」と思っているものを教えてください。
YXNGBRATZっていう服のブランドです。
ロゴとかデザインがちょっとメタル寄りで、ハードコアっぽい感じがあって、自体自分のスタイルにすごくあっているなって感じるんですよね。
提供してもらうことが多くて結構着用しているんですけど、次にあのブランドは来ると思ってます。
―― Pxrge Trxxxperさんの"CORE"を表すキーワードを教えてください。
1つ目は、「傷と過去」です。
自分の中には、これまでの経験の中でできた傷や、簡単には言葉にできない過去があって。
でも、それを隠したいとか消したいとは思っていなくて、今は全部ひっくるめて自分の一部だなって感じてますし、そういう感覚が、今のラップや表現の根っこになっている気がします。
その一番分かりやすい形が、タトゥーです。
最初に入れたのは18歳になってすぐ、首のコウモリ。翼を広げた、でかいやつを入れたくて。
鳥も考えたんですけど、自分のラップスタイルが結構ハードコアなので、それだったらコウモリのほうがしっくりきたって感じです。
暗闇に沈んでる感じの生き物のほうが合うなと思いました。
耳には蜘蛛の巣、顔にはクモ。全てのタトゥーには意味を持たせてます。
―― 入れる順番にも意味がある?
最初は顔とか首とか、見えるところから入れました。
そのあと腕を増やしていって、次は胸にも入れたいですね。
一番お気に入りは、やっぱり一番最初に入れたコウモリのタトゥーです。
一番気持ちが乗ってたし、覚悟がありました。
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2つ目は、「インドアな時間」です。
自分、結構インドアなんですよ。
プライベートは基本、ゲームして、リリック書いて、またゲームして、の繰り返しです。
小っちゃい頃からゲームが好きで、格闘ゲームもやるし、オープンワールド系のゲームも好き。
あとは、寝るのも好きで、結構寝てます。
一見、音楽とは関係なさそうに見える時間ですけど、このインドアな時間がないと多分音楽もできない。
部屋でひとりでいる時に、ふと気づいたこととか、思ったことをメモに残す。
その積み重ねが、曲になっている感覚があります。
―― いつも曲作りはどんな感じでされているんですか?
曲は、ほぼフローから作ります。
とりあえず適当に歌って、いいメロディーが出てきたら拾う。
リリックは、その時に気づいたことや思ったことをスマホのメモに残しておいて、あとから当てはめるだけ。
このスタイルは、ラップを始めた頃からずっと変わっていません。
3つ目は、「自分の機嫌を取ること」です。
気持ちが落ちるタイミングは、普通にあります。
でも、自分で自分の機嫌を取るのは、結構上手いほうだと思ってて。
まぁいっか、って割とすぐ切り替えられるんですよね。
バッドに入ることはあっても、引きずらないように、自分でちゃんと戻す。その感覚は、昔からあんまり変わってないです。
無理に誰かに寄せたり、今っぽく見せようとしたりは、あんまり考えてなくて。
刺さる人に刺さればいい。でも、刺さる可能性はできるだけ広げたい。
その間を探しながらも自分がいいと思ったスタイルを貫き続けいくってことを何より大事にしています。

―― 最後に、これから起こしたい"波"について教えてください。
今の客層だけじゃなくて、世界中のいろんな人に、自分の音楽が届いてほしいです。
ハードコアを続けてきたからこそ、それだけでは届かない場所があるのも分かっていて。
スタイルを変えるのは好きじゃないけど、表現の幅は、もっと広げていきたいと思ってます。
今は、いろんなメディアに出ていくフェーズで、まずは知ってもらうことが大事なタイミング。
それでも最終的には、刺さる人に深く刺さる音楽をやっていたいですね。
あとは、もうすぐソロアルバムを出します。
コンセプトやタイトルは、まだ秘密ですが、楽しみにしてもらえたら嬉しいです。

さまざまな傷や、簡単には言葉にできない過去があったからこそ、今の彼がいる。
19歳という若さで多くの人を惹きつけるPxrge Trxxxperには、その経験を通してしか得られない深みがあると感じた。
情報が過剰に溢れる現代において、自分のスタイルに迷う瞬間があったとしても、取材中に見せた彼のまっすぐな眼差しは、その迷いすらも受け止めてうまく昇華しながら前に進んでいるように見えた。
自分自身と向き合う時間の中で、感情を丁寧に見つめ、感じたことを素直な言葉へと落とし込み、リリックへ変換していく。
Pxrge TrxxxperのCOREは、強い主張や誇張ではなく、極めて個人的な感覚と、日々の習慣の積み重ねによって形作られている。
その静かな積み重ねが、やがて大きな波へと変わる瞬間を、私たちはまだ見ている途中なのかもしれない。
衣装:EASY NO EASY
当日着用したのは、韓国発のEASY NO EASY「Simple is not easy」というコンセプトのもと、トレンド性のあるデザインをブランド独自のフィルターを通して再現。シグネチャーアイテムである8分丈のバミューダパンツは広い世代に支持されている。Featured Artist: Pxrge Trxxxper
Brand: EASY NO EASY
Photographer: Rikuto Uchiumi
Video : RURU
Stylist: RUI [RETUN REP]
Make : MIYABI
Hair:千宙
Direction / Video edit / Text:minami

