
いま、時代に新しい波を起こすアーティストやクリエイターの"内側"に踏み込む連載企画「NEW WAVE, NEXT CORE」
彼ら彼女らがどのような景色を見て、何に揺さぶられ、どのような感覚を軸に世界を捉えているのか――その中心へと迫っていく。
流行やムーブメントは、常にひとりの"個"から始まる。次の潮流をつくる表現者のCOREには何が宿っているのか。
その起点を探りながら、これから生まれる新しい波の輪郭を読者とともに見つめていきたい。
第10回目に登場するのは、圧倒的なスキルと、どんな環境も楽しみに変えてしまうタフなマインドを持つラッパー、Reichi。
弱冠10代でシーンに躍り出てから、メジャーとアンダーグラウンドの両方をサバイブしてきた彼女。
そのタフで純粋な表現の核は、どのような経験と感情から形成されているのか。その現在地を紐解いていく。

Reichiという存在
―― まずは自己紹介をお願いします。
Reichiです。ラッパーをやっています。よろしくお願いします。
―― 普段のファッションスタイルについて教えてください。
普段はボーイッシュな服に、自分が「可愛い」と思う要素を混ぜるようにしています。
ダボっとしたストリートなシルエットも好きなんですけど、そこに女の子らしい色使いだったり、可愛らしいアイテムを一点差したりするのが自分流ですね。
特に「色」がついているものが結構好きで。モノクロでバシッと決めるよりは、色系を身に纏っている方が自分らしいなって感じます。
その時の直感で「これ可愛い!」って思ったものを、メンズライクな格好にミックスさせていくのが、着ていて一番テンションが上がりますね。

「次に来る」と思うもの
―― Reichiさんが「次に来る」と感じているものは?
今はネットで何でもすぐに手に入るし、Googleで写真撮ったらすぐにブランドも分かっちゃう。
便利だけど、その分、みんなと同じになりやすいというか、個性を出すのが難しくなっているなと感じることもあって。
だからこそ、最近は「一手間かかっているもの」に惹かれます。友達が自分で作ったキーホルダーとか、帽子とか。
簡単に手に入るものよりも、誰かの気持ちがこもっていて、自分でも愛着が湧くようなアイテムを身につけること。
時代が戻っている感じもするけど、そういう「自分だけの愛着」をディグしていくことが、結局一番かっこいいスタイルに繋がるんじゃないかなって思います。

COREにある3つのキーワード
―― ReichiさんのCOREを表す3つのキーワードを教えてください。
1つ目は、エナジー。
これはずっと変わらない自分っぽさですね。昔はもっと外に向けて爆発させていたけど、最近はそのエネルギーを内側に向けていく術を覚えてきました。
もし気持ちが落ちることがあっても、それをどうポジティブに言い換えるか。
最悪な状況でも「ここを乗り切り切ったら自分天才じゃね?」って真逆のことを考えるんです。
寝る直前までずっとそれを繰り返している。そのマインドの切り替えが、今の私のパンチラインの源になっているんだと思います。
2つ目は、男気。
「ギャル」なのかなって思うこともあるけど、しっくりくるのは「男気」の方ですね。
中学生の時に「強くなりてぇ」と思って格闘技を始めたんですけど、その理由も、もし地元の友達に何かあった時に絶対に守れるようになりたかったからなんです。
都会に出てきても、そういう自分の根っこにある「野生み」や「ソウル」は大事にしたい。
私は直感を信じているので、友達もそんなに多くないです。
でも、一度仲良くなったら裏切るなんて絶対ないし、その子が他の場所で何か言われるようなことがあれば、自分が間に入ってでも守りたい。
そういう損得抜きのこだわりや愛情は、誰よりも持っている自信があります。
3つ目は、遊び心。
これが一番大事。どんな場面でも、遊び心がないと楽しくないじゃないですか。
リリックを書く時も、どうやったらみんなに「めっちゃヤバいやん」って思わせられるか、それも遊び心。
たとえ誰かに失礼な態度をとられてムカついた時でも、ただ怒るんじゃなくて、相手が「こいつには敵わへんわ」って思っちゃうような返しをしたい。
そのまま言うと攻撃的になることも、遊び心があれば面白さに変わる。そういう余裕を常に持っていたいですね。

これから起こしたい波
―― 最後に、Reichiさんがこれから起こしたい"波"について教えてください。
「女のラッパーって、こんなにかっこよくて稼げるんだ」っていう波を起こしたいです。
私がこのカルチャーで出会ったラッパーたちは、言ってることもやってることも一貫していて、本当にかっこいいんです。
女の子も、誰かに何かを買ってもらうんじゃなくて、「入口で待ってて、買い物してくるわ。何か欲しいもんある?」って言えるくらい自立して、稼いで。
強く見せるんじゃなくて、本当の意味で強い。そんな姿を見せることで、誰かがかっこいいって思ってくれるきっかけになれたら最高ですね。

「強く見せない方が、本当は強いんじゃないか」――。
そう語るReichiの言葉には、見せかけではない本物の「タフさ」が宿っている。
中学時代、理不尽な状況に直面したときに「守れる強さ」を求めて格闘技の門を叩いた経験。
その時から変わらない「仲間のために拳を握る」ような真っ直ぐなマインドが、いまは音楽という武器に姿を変えている。
どんなに環境が変わっても、地元の友達を大切に想い、飾らない自分で居続ける。
その「男気」溢れるスタンスこそが、彼女をシーンの唯一無二の存在たらしめている理由だろう。
Reichiというひとりの表現者が更新し続ける「本当の強さ」の行方を、これからも追いかけていきたい。
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当日着用したのは、アイコニックなバックプリントが視線を集めるマイクロショートパンツ。
ヘルシーな肌見せを叶える絶妙なシルエットが、スタイリングにヘルシーでY2Kなニュアンスを加える。
主張のあるディテールながらも、ボトムとしての佇まいはシンプル。
カジュアルからストリートまで様々なコーディネートに自然と馴染み、日々のスタイリングをアップデートしてくれるマストハブアイテム。
ブランド:FANCY CLUB
韓国発のカジュアルブランド FANCY CLUB。
Y2Kをベースにトレンドを抑えたアイテムを展開し、
韓国国内はもちろんのこと、国外からも人気を集めるブランド。
毎シーズン出されるコンセプチュアルなルックブックも人気で、トレンドだけを追わない独自でユニークな世界観を発信している。

Featured Artist:Reichi
Brand:FANCY CLUB
Photographer:Rikuto Uchiumi
Video/Video edit : yuma goto / NANA
Stylist:RUI [RETUNE REP]
Make : MIYABI
Hair:千宙
Direction/Text:minami
<衣装クレジット>
fuguihua Yamahua TEE(WH) ¥12,000
fuguihua Missubibi hat(LG) ¥10,800



